Like a notebook

イニシャルHの研究

2019年8月に読んだ本(漫画)

備忘録です。

漫画

KATSU!(あだち充小学館)7~最終巻

comics.shogakukan.co.jp

最後まで読んで思い出したけど、一回読んだことあった。最後まで読むと、「ああこの作品の全ては、最後の一コマにたどり着くための助走だったのだな」と感じた。たぶん前も同じことを思ったんだと思うけど、一つ一つのコマ割りと同じ雰囲気の「さわやかでセンスのいい美しさ」みたいなのが作品全体のトーンとして貫かれているのがいいなと思う。

MONSTER(浦沢直樹小学館)11~最終巻

comics.shogakukan.co.jp

めちゃくちゃ細かく複雑に設定が詰め込まれているこの漫画を半年もの間隔を開けて読んでしまったのは大誤算だったかもしれない。とはいっても、名作は名作だし、わかんないことがそれなりにあっても面白い。この作品を読んでいるときの感覚は、真夜中に長い長い山道を歩いているようなものがあって、勝手な予測や想像が余計な恐怖を生み出すし、実際に不穏でおぞましい光景も予想外、予想通り、あるいは予想以上の形で飛び込んでくる。そういう体験をいくつ重ねても、この世界の真実を見たいという気持ちがページを繰らせるわけなのだが、この作品も最後の衝撃のための物語だったな、という感じがする。積み重ねていくというよりは、長いトンネルを抜けて安心し、緩み切った無防備な心にさせておいて、一番力強く殴りつけてくる感じ。

ヒストリエ岩明均講談社)1~10

afternoon.kodansha.co.jp

乙嫁語り森薫エンターブレイン/KADOKAWA)1~2巻

www.enterbrain.co.jp

高校生のときから世界史が大好きで、ユーラシア史における遊牧民のこととかが特に好きだった。それなのに今更この辺の名作を手に取ったというのはなんというか、人生遠回りしすぎだろ…と自分でも思う。「ヒストリエ」はエーゲ海周辺の話っぽい。マケドニアのフィリッポスとかアレクサンドロス大王出てくるとテンション上がりますね。カイバル山脈を大王が越える話、いつか漫画で出てくるのかな…。主人公を中心とした冒険譚とみてもすごく面白い。司馬遷史記とかもこんな感じで漫画化されてるのかな。

乙嫁語りの方は、スイスの本屋で並んでるのを見たことがあったし、数年前に読売新聞だかの夕刊の書評で紹介されていたのを見てからずっと気になっていた。描写の密度がすごいとは聞いていたけど、噂から想像していたそれとは別次元だった。この動画とか見ると、本当に人間の手から白紙の上にあの一コマ一コマが生み出されているんだな、と思えて感動する。

www.youtube.com

それにしても、この漫画の緻密さとテイストって、僕が高校1年生だったときに授業を持っていた非常勤の阪大院の先生がくれた参考資料のプリントにけっこー似ているんだよな。その辺のクラスタはなんか共通の基盤みたいなのがあったのかな。

ランウェイで笑って(猪ノ谷言葉,講談社)1~3巻

pocket.shonenmagazine.com

 

僕がそんなに熱心に漫画を読むわけではないからだとは思うが、コンクル―ジョン・ファーストの漫画に出会ったのはこれが初めてだと思う。noteの半生語りエントリとかと親和性高そうな書きぶりだと思う。この漫画もどっかの書評で早くから取り上げられていたはずで、頭の中のいつか読みたいなリストには入っていた。新たなチャレンジに出くわしては、大ラッキーとか天才の連発で攻略、みたいなのを繰り返すという王道的なサイクルで物語は回っていくのだけど、絵はきれいだし登場人物かわいいし面白いです。ファッション全般の知識が読んでて楽しい。

 

最終兵器彼女高橋しん小学館)全巻 

www.shogakukan.co.jp

良い作品だとは聞いていたけど、これも読んだことなかった。まず、とんでもなくド直球なタイトルだなこれ…と思った。あと、最近ツイッターでよく使われている、「実を言うと、○○はもうだめです。突然こんなこと言ってごめんね。でも本当です…(中略)…それが止んだら、少しだけ間をおいて、世界の終わりが来ます」構文はこの漫画発祥だと知れたことが一番なんというか、印象に残った。新海誠の「ほしのこえ」とか、「雲の向こう、約束の場所」とかを思い出す。どっちかが影響受けてるんですかね。たぶん詳しい人が話してるんだろうけど。

 

 

今月の本全部で書こうと思ったけど、めんどくさくなったので、一般書は次に回すことに。